箱庭療法
当カウンセリングルームで行える療法のひとつに、「箱庭療法」というものがあります。
最近では箱庭のゲームが人気になっていたりして、この療法に関する問い合わせや質問も多くなってきました。
悩みを抱えている方の、箱庭制作に没頭している姿、ワクワク、また少しドキドキもしながらやっている姿を見ていると、その瞬間は悩みから離れて、本当の自分に戻っているのかなーと思ったりします。
皆さん、概ね、楽しく、生き生きと制作に取り組んでおられますね。
以下に簡単ですが、その概要をご説明いたします。
箱庭療法とは
サラサラとした細かい砂が敷かれた木製の箱(縦57cm:横72cm:高さ7cm)の中へ、ご自分の思ったままに人形、動物、樹木、橋、船、神仏などのミニチュアを置いていく療法です。
箱の中の世界は心の奥底で伝えたいこと、言葉では表せないものが表現されているといわれております。
箱の中で、思うがままに好きな世界を作り、無意識へ押し込められた記憶や感情を意識化することで、自分をより理解し、自己変革につなげることができるでしょう。
ある程度の制作スペースが必要であり、また、様々なミニチュアを揃えたり、それを陳列する棚を設置する必要がある。
空間的な制約やコストの問題もあるので、この療法を扱っているカウンセリングルームは数少ないのが現状です。
箱庭療法の対象
元々は、子どもの心の世界を表現し、その心理治療に役立てる目的で行われる遊技療法でした。
現在では、児童や学生に限らず、成人、高齢者に至るまで、幅広い年齢層の方にも積極的に用いられるようになりました。
特に、言葉を使っての感情表現が苦手な方には、有用な療法だといわれています。
ただ、私は、逆に、話すのが得意で論理的に考えがちな人にも合うのではないかと感じております。
普段から左脳ばかり使っている人が、箱庭制作で右脳を活性化させれば、新たな自分を発見し、人生に深みも出てくるのではないでしょうか。
箱庭療法の効果
自己表現を通じた自我の確立や自己成長が期待できる療法です。
普段は気づかない意外な自分を知ることにも役立ちます。また、現在の自分のあり方や人生の質を変えることも期待できるでしょう。
心の悩みからくるストレスや身体的症状にも効果があるといわれています。
砂に触れ、夢中になって箱庭を制作していると、きっと癒しの効果を感じることでしょう。
箱庭療法の実際
箱庭を制作した後に、「私って、どんな性格ですか?」「こんなの作るなんて、異常ですか?」とカウンセラーに尋ねてくる方もいらっしゃいます。
よく、小説やサスペンスドラマなどで、箱庭によって犯人の心理状態を暴き出すようなものがあったりするので、きっと誤解をされているのでしょうね。
この療法は、箱庭を作ること自体に意味があり、解釈するだけのものではないことをお伝えしたいです。
クライアントが連想を膨らませ遊び感覚で制作した作品をもとに、カウンセラーがクライアントと共に味わい、その作品の意味を分かち合い、制作中の心の動きを聴いたりしながら、クライエントの心の整理を進めていくもの。
つまり、深層の心理状態を見つめていくものなのです。
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