認知行動療法(CBT)

当ルームで実践している療法の一つに、認知行動療法というものがあります。
以下、簡単に解説させていただきます。

認知行動療法とは?

同じ出来事であっても、受け止め方、考え方は、人それぞれ違います。

例えば、親や先生、あるいは上司に叱られて、ひどく落ち込む人もいれば、全然気にすることなくあっけらかんとしている人、落ち込んでもすぐに立ち直る人など様々です。

それは、認知(起こった出来事に対する捉え方や受け取り方)の違いから生じているのです。

悲観的に考えて落ち込み、それを引きずり眠れない日が続くことで体調を崩し、会社や学校に行けない。といったように、認知というのは、感情や身体症状、そして行動にまで影響を及ぼしていきます。

そのような、つらくなってしまいがちな思考プロセスを特定して、現実にそったバランスの良い思考に変えていくことを目指すのが、認知療法です。

また、ひどく偏ったバランスが悪い認知というのは、ときに極端な行動を選択しがちになりますので、問題となる行動を特定して、健康的な行動への変容を目指すのが、行動療法です。

そして、上記の認知療法と行動療法を組み合わせた心理療法(認知と行動に働きかける療法)が、認知行動療法というわけです。

英語では、Cognitive(認知)Behavioral(行動)Therapy(療法)と表記され、頭文字をとってCBTと呼ばれています。

どのような症状の人が対象になるの?

認知行動療法は、うつ病や社会不安症(社会不安障害)、パニック症(パニック障害)、強迫症(強迫性障害)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの症状の方に使われており、効果が証明されている心理療法です。

認知行動療法のメリット・デメリットは?

メリット
・豊富な研究で実証(エビデンス)が積み重ねられてきた安全な療法といえます。
・副作用がなく、薬物治療と同じような効果を得られる可能性があります。
・予防や再発防止にも効果があるといわれております。

デメリット
・即効性はないので、短期的な効果は期待できません。
・様々な課題に取り組むため、疲れてしまい挫折する人も少なからずおります。

以上のように、認知行動療法は、すぐに効果が出るものではありません。
相当な労力と根気を必要とします。
だが、継続的に取り組み、柔軟性のある認知・行動パターンをしっかりと身に着ければ、その効果は長期間続くことでしょう。


 

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投稿者プロフィール

Kuramochi Yoshinobu
Kuramochi Yoshinobu~公認心理師・産業カウンセラー~
クラージュこころカウンセリングルーム(茨城県結城市)・代表